われわれはどこに向かっているのだろう。今世紀最
大のパンデミックの渦中で。世界ではすでに500
万人以上の人たちが死亡している。感染者数は2億
6千万人を越えた。いつ終わるとも知れないコロナ
禍の末にわれわれはいったいどこへ行きつくのだろ
う。
この1年半以上、わたしたちはマスクをして、消毒を
して、会いたい人にも会わずにいた。生活は一変して、
貧しき人々はさらに貧しくなり、社会の分断は加速
した。仕事を失った人、家族を失ったひと、大事な人
を失った人、自らの命を断った人たちがいた。毎日、
報道される感染者数に一喜一憂した。自分もいつか
は感染するかもしれない。死の影はつねに私たちの
近くにあった。今までこれほどまでに死を意識した
ときがあっただろうか。そして生を渇望したときが
あっただろうか。
今回の芝居のテーマは再生である。コロナもいつか
は終息する。そのときわれわれはどのように生きて
いくのだろう。今まで通りの生活を取り戻すことが
できるのだろうか。人類の再生は可能なのだろうか。
死の影が消え去ったあと、われわれは生きていると
いうことを今まで以上に感じるだろう。自分たちは
生きている。生かされている。それはきっと奇跡と呼
ぶにふさわしいことなのかもしれない。
ふたたび日常を取り戻したとき、わたしたちの前に
ひろがる世界は果たして輝いて見えるだろうか。
長野和文
■スタッフ
演出/美術・・・・・長野 和文
照 明・・・・・・安達 直美
音 響・・・・・・髙沼 薫
舞台監督・・・・・・田中 新一
制作協力・・・・・・潮田 塁
宣伝美術(画)・・・濱口 真央
記録写真・・・・・・鏡田 伸幸
記録映像・・・・・・井野口 功一
企画制作・・・・・・池の下
■キャスト
デボラ・・・・・・・・・・・稲川 実加
ホーンビー・・・・・・・・・SUMIO
ポーリーン・・・・・・・・・赤松 由美
■協力
コニエレニ
トツゲキ倶楽部、Re:Play、オフィス・イヴ
高津装飾美術株式会社 出崎 健太
ロングランプランニング株式会社
著作権代理 株式会社シアターライツ
■助成
芸術文化振興基金